山口暮らしを体験してみる

先輩移住者の声

voice No 1

池間 貴幸 さん

[山口市仁保在住]

革靴製作

いつ・どこから・なぜここに?

 もともとは沖縄県宮古島市伊良部島の出身です。高校卒業後、東京で料理人として修業を積み、自分の店も持ちましたが、10年ほどで宮古島に戻り、飲食店や雑貨店をやっていました。ここに来る直前は那覇にいました。
東京・浅草で生活を始めた頃、ものを大事にする暮らしにカルチャーショックを受けました。たとえば手ぬぐい1枚を、手ぬぐい、ふきん、雑巾として使い、最後は裂いてざぶとんの中に詰めたり、ひもにしたりしてほんとに最後まで使いきる。感動しました。そんな暮らしがしたいなと考えた時に、それは海ではなくて、何でも自分できれいに始末をする山の暮らしだと思ったんです。それからインターネットで、まずは妻の実家のある静岡周辺から空き家情報を探すようになり、実際にあちこち出かけて見たりもしました。2014年、仁保の空き家情報に出会い、2月に家族で見に来ました。紹介された古民家が気に入ったので春には契約し、12月にまずひとりで移ってきて、住まいと工房を整備しました。近くに住む北海道出身の大工さんが家の改装を手伝って下さいました。北海道出身者と沖縄出身者がここで出会っていっしょに作業するって、おもしろいですよね。
年が明けて2015年3月に、妻と息子3人もやってきて家族そろっての生活が始まりました。

現在の状況・感想

 昔、浅草で靴職人の仕事のかっこよさに打たれて、自分でも作りたいと思い始めて、独学で技術を身につけました。いろんなブランドの靴を買ってはばらして構造や製法を研究しました。雑貨店経営のかたわら、那覇で靴工房を開き、徐々に受注も増えましたが、沖縄の人は皮靴はあまりはかないんですよ。サンダルが多いです。

 こちらへ移って来て、この工房も自分で手がけました。もともと何かを作るのが好きなんです。料理とか、靴とか、建物とか、店とか・・・・。おかげさまで、注文は全国からあり、靴を作ることで生活できています。
妻もここでの暮らしを気に入ってくれています。小学校は約7キロ離れていますが、スクールバスがあるので通学に問題はありません。生活用水を地下水に頼る島で生まれ育ったので、清らかに澄んだ水が豊かにあるのはとてもうれしいです。

地方への移住にあたり不安だったことは? 実際は?

 仕事はうまくいくか、子どもたちはなじめるか、不安だらけでしたね。でも、都会から来たわけではない、もっと田舎から来たので、田舎暮らしへの不安ではありません。全部一から始めることへの不安です。でも腕に職があるので、どこへ行ってもやっていける自信はあります。実は、フランスやハワイからも「こっちへ来ないか」とオファーがあったんです。フランスやハワイに行くことを思えば、日本語で暮らせるんだから大丈夫。楽しむしかないし、実際、楽しく暮らしています。

山口の魅力は?

 山口は住みやすいと思います。ご近所の人たちも最初は珍しがってのぞきに来て、そのうち手伝ったり差し入れしたりしてくれるようになりました。フランクで仲よくなりやすい人が多い。新年会、花見、忘年会など楽しいですよ。神社の総代も引き受けました。何かするのは若い人、新しい人って言うじゃないですか。地域でのつながりは大切にしたいですね。

 食べるものも何でもおいしいと思います。特に魚はうまいですね。沖縄の魚は大味だけど、ここでは旬が味わえます。イノシシも食わせてもらいました。いずれ狩猟免許を取ろうと思っています。

 そして山口は道路がいいですね。どんな細い道でもちゃんと舗装されている。こんなところ、よそではないですよ。道路がよくて走りやすいので休日はドライブに行きます。角島はきれいですね。沖縄の海とそん色ないと思います。

山口に住んで戸惑ったことは?

 特に思いつきません。強いて言えば、家の井戸とかポンプとかを改修するのに補助金が出なかったことくらい。大雪はびっくりしましたが、子どもたちも喜んでいました。

山口に来てよかった?

 来てよかったです。仁保が大好きになりました。ずっと住み続けたいと思っています。

今後の展望

 死ぬまでずっと靴を作り続けたい。百貨店やイベントに出向いて受注会を開くこともありますが、基本的にはここで採寸して、デザインの打合せをします。ハサミや目打ちといった道具もカスタマイズしています。面倒だけど楽しいですね。靴は生活の道具なので、壊れないよう丁寧に作っています。

移住を考えている人・移住してきた人にアドバイスを

 土地の歴史を調べてみると候補地選択の幅が広がると思います。昔から人が住んでいるところなのかとか、過去にどんな災害にあっているかとか、けっこう重要なポイントかもしれません。あとはポジティブシンキング。いろいろ言う人もいますが、いいことだけを聞くようにして。お世話してくれた人に迷惑をかけないようにと心がけています。

 
取材年月:2016年1月

山口県山口市仁保上郷2231-2

靴工房IKEMA

〒753-0301 山口県山口市仁保上郷2231-2
TEL 083-929-1559 / FAX 083-929-1559
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