山口暮らしを体験してみる

先輩移住者の声

voice No 23

賀屋 良季 さん

[山口市阿東徳佐在住]

トマト農家

いつ・どこから・なぜここに?

 東京都立川市出身です。大学時代に知り合った妻の実家が山口市阿東徳佐の兼業農家で、将来を話し合った時に、結婚したら阿東で農業をしようということに決めました。大学院修了後、熊本県八代市のトマト農家に1年間住み込んでトマト栽培を学び、2008年に移って来ました。熊本では実際に農作業をし、作業の段取りや1年間の流れをつかむことができました。

なぜ山口でこの仕事を?

 立川市は郊外で、子供の頃は茶畑でかくれんぼをしたり、白菜の冬囲いを見て「エイリアンの卵みたい」と思ったりしていました。親は教員で、親戚にも農家はいませんが、子供の頃から農業にあこがれていました。妻の両親は兼業でやっていましたが、専業で、阿東はトマトの特産地なのでトマト栽培をすることにしました。

現在の状況・感想

 トマトは2反の土地でハウス栽培をしています。妻の両親と一緒に米や、家で食べたり、朝市に出したりする野菜も作っています。夏は朝3時に起きて作業を始めます。1日しっかり働いて夜8時には就寝します。冬は4時に起きて薪ストーブに火を入れて、朝食までの時間は本を読んだり調べ物をしたりします。冬は夏に比べるとのんびりしています。  阿東は人口が少なく、貴重な若手なので、農業関係のほか、地域の消防団や子供の保育園、学校関係、地域作りの関係などいろいろなところから声がかかります。呼ばれるうちが花だと思い、できるだけ参加しています。

地方への移住にあたり不安だったことは? 実際は?

 妻は自分の育ったふるさとへ帰るので落ち着いていましたし、私も移住や就農に特に不安はなく、実際に地元での基盤があったのでとけこみやすかったです。

山口の魅力は?

 阿東は何もないといえば何もないところですが、その中で徳佐は行政や学校、スーパー、コンビニなど町の機能が集約されている「便利な田舎」だととらえています。別荘地みたいに星空や水や空気がきれいで、住みやすいです。家は広いですし、生活の維持費が高くなくて、子育てもしやすいところだと思います。  就農という点では、山口市は海もあるし山もあるし、北から南まで広くて、いろいろな作物が作れるところだと思います。

山口に住んで戸惑ったことは?

 生活面で困ることは・・・、特にありません。阿東では冬の寒さが厳しすぎて農作業ができませんが、オフの時間は帳簿の整理をしたり、農薬や資材、栽培計画をたてたり、研究をしたりしています。

今後の展望

 今は「山口あぶトマト」としてJA出荷がメインですが、直売所やイベント「おいでマルシェ」に出品したり、口コミでオーダーいただいた方に販売したりということも少しずつ増やしていきたいです。顔の見える販売をして、それが収益アップにつながればいいなと思っています。でも、「儲け過ぎないこと」が私の経営理念です。時間を作って人生を楽しむという熊本時代に学んだライフスタイルを大事にしたいです。

移住を考えている人・移住してきた人にアドバイスを

 挨拶をちゃんとして、地域の行事に参加して、顔を覚えてもらって、地域の人にかわいがってもらいましょう。いざ困った時には助けてもらえます。私もトマトのハウスを建てる際に手伝ってもらって、土木の知識なんかなかったのに、自分で建てられるようになりました。  農業については、自分一人で考えたことは、すでに誰かがやっているケースが多いです。
 先輩農家のやり方をよく見て、聞いて、しっかり吸収することが大事です。ひとりだとさぼってしまうし、効率の面からもパートナーがいるほうがいいと思います。  就農地、移住地を選ぶ時は、土壌、日当たり、水はけ、水利権など土地の下調べをしっかりとすること。生活圏のリサーチもしておきましょう。農業は働き方や時間の使い方を自分でデザインできるところが魅力だと思います。
 一生懸命作った作物をおいしいと言って食べてもらえるのはうれしいですよ。「とれたてのおいしさ」も生産者の特権ですね。

 取材年月:2017年1月