山口暮らしを体験してみる

先輩移住者の声

voice No 35

木村 香織 さん

[山口市秋穂]

心とからだのエスコーター

いつ・どこから・なぜここに?

 東京都板橋区出身です。社会人になってからは東京都、北海道、群馬県で仕事をしていました。最初は東京都で事務職を、そのあとは北海道や群馬県のリゾート施設などで冬はスキーのインストラクターを、春から秋はゴルフ場でイベントやコンペの企画、運営などをしながら、美容業界の仕事もしていました。サービス業に携わる期間が長く、北海道と群馬県にはトータル13年間、スキーやゴルフに関わる仕事をしていたのでスポーツが得意と思われがちですが、実は苦手です。

 夫が山口市秋穂の出身で実家に戻ることになったのがきっかけです。「いつかは山口県に行くことになるだろうとは思っていましたが、思っていたよりも引越しが早かった」というのが私の本音です。主人とは、実家に戻ることについては、「私に相談はしないで欲しい。行くと決心がついたら言って」という約束にしていました。相談されて話し合うとお互いに悩んでしまって前に進めなくなるのが分かっていましたから。

 とはいえ、ちょうどその頃は上司にも恵まれ、仕事を色々と任せてもらい、面白くなってきたところだったので、その決心を受け入れるのは簡単ではありませんでした。でも、ここで仕事を選択するのは、「主人のご両親に申し訳ない」という気持ちが強くあり、移住を決めました。

なぜ山口でこの仕事を?

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 今は山口県立大学の「地域交流スペースYucca」と「心とからだの相談室」のコーディネーターとして勤務しています。

 「地域交流スペースYucca」は、山口県立大学の教職員や学生と地域住民の交流を図るために設置された施設で、子供からシニアまで幅広い世代の方々が交流することでお互いに学び合うことができる様々な機会を提供する場です。役割としては多くの企画が常に進行しているので、それらを見直してより良い方向性を検討したり、新しい企画の提案をすることもありますし、時には、「地域交流スペースYucca」で提供しているイベントなどについてテレビや新聞など、取材に対応することもあります。2018年5月から始めた「かたれる♪」という新企画は、山口県外から移住されて山口県での生活のしづらさを感じている方々が、自身の思いを声に出して「語れる」場としてスタートしました。山口県外からの移住者向けの企画提案が出来たのは、私の移住体験と「地域交流スペースYucca」の両方があって具体化出来た定期開催行事だと思います。

現在の状況・感想

 山口県立大学の「心とからだの相談室」では医師、看護師、社会福祉士、臨床心理士などの資格を持った教員が地域貢献の一環として、様々な悩みを持つ方の個別相談を行っています。「地域交流スペースYucca」では、発達障害のお子さんを持つお母さんたちが語り合う会など、その場に専門員が入って話し合ったりすることで、情報や悩みを共有する取り組みを行っています。このような場では地域の方々と出会うことができますし、それぞれの目的に沿ったイベントを企画、形にして継続していけるのは楽しいですね。

 先ほど触れた「かたれる♪」は、絶対に実現させたいと思っていた企画のひとつです。「移住してきて地域の方々となじめない」「自宅、職場以外でほっと一息つくことができる場がなかなか見つけられない」など、そのままにしておくと引きこもりがちになってしまう可能性のある方にとって、外に出るきっかけとなる場があることがとても大切だと私自身が感じた頃があったからです。例えば「心とからだの相談室」などに「専門の先生に相談するほどでもない。でも、他に話せる人もいない」という移住者さんはいると思います。私も移住者として同じような経験をしたので、そういう方々が気軽に参加して、気軽に自分の思いを一緒に声に出せる場として「かたれる♪」を始められたのは、私だからできた企画なのかと感じています。

 

地方への移住にあたり不安だったことは? 実際は?

 北海道や群馬県でもそれぞれに地域性があることを感じていたので、山口県にもあるだろうとは思いましたが、それがどんなものか移住する前には全くわかりませんでした。

 住んでみて感じたのは、「地元の人同士の結束力が強く、伝統をとても大切にしている」「地域で古くから続いていることは、当然のように守っている」ことですね。もちろん、伝統を守ることは素敵ですが、時代とともに生活スタイルは変わっているので、良いことは新しいことでも取り入れたら良いと思うこともあります。「何を守っていくべきで、何を変えて良いのか」その選択をする勇気も今の時代を快適に暮らすためには必要なのではないでしょうか。

 

山口の魅力は?

 職場で飛び交う山口県の方言が、「和気あいあいとしたソフトな雰囲気を作っている」と感じます。それと「人と人との距離が近い」。初対面の人でもよくよく話を聞いてみると、知人の知人であったりなど、誰かしらと繋がっていることが頻繁にあります。

 山口県も北海道や群馬県と共通して感じたのは自然が豊かなこと。東京都から北海道に出て、また東京都に戻った時、空以外は作られた線しか無いことに初めて気付きました。景色の中はビルや道路で埋め尽くされていて、その上に空があるというように人工的な線ばかり。北海道や群馬県では、山や海などのように人工的に作られたものではない自然で出来ている線がたくさん目に飛び込んできて、ふっと力が抜ける時があります。「人が過ごしていくには、そういう圧迫感のない部分がある方が良いな」とその景色を見て感じました。山口県の景色もそういう意味で圧迫感がなくて、人に優しいと思います。

 

山口に住んで戸惑ったことは?

 車社会で公共交通機関が少なくて不便だとは思います。でも、どこへ行くにも車なので、買い物で重い物も気にせず持って帰れるから、そこは考えようですね。

 自治会の活動が「前からやっているから」というだけの理由で継続していたり、子どものための催しのはずなのに大人だけが集まってお酒を飲んでいたり、見直す時期に来ているのではないかと思いますが、なかなかそこは変わらないようですね。

今後の展望

 「かたれる♪」は始まったばかりです。今は少人数で穏やかな雰囲気で行われています。今後は、多くの方に知っていただき気軽にご自身の心の内を話せる場作りをしていきたいです。

 また、この「かたれる♪」のように専門員を揃える事は難しいですが、私自身が「かたれる♪」に似た場を他にも作ることを計画しています。山口県立大学で開催されている「かたれる♪」は毎月第3木曜日の午前中(変更することも有り)ですが、新たな場では平日の夜や週末など選択肢を広げられると良いと考えております。そこでは、セラピストとして私が提供できることとこれまでの経験を活かして、「自分の思いを声にしたい。でもどう表現して良いかわからないと感じている方」のお手伝いもしたいです。そして、参加者の心の凝りが少しほぐれた頃にはその方々がさらに笑顔になるイベントの開催を考えています。

 そして、前職までの経験に加えてフェイシャルやボディのトリートメント、ポールなどを使ったセルフボディメンテナンス、色やアロマを使ったセラピーやカラーリズム、フラワーアレンジメントなどを組み合わせて、お客様一人一人のご要望にあったトータルセルフケアを提供していきます。私自身がホテルというサービス業の出身で、質の高いサービスを企業の一員として提供してきたので、それを活かせればと思います。

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 起業に関しては、山口県央商工会が主催する「創業塾」というセミナーが平成28年度から開催されており、その第1期に参加していました。少人数で講師との距離が近く、受講者同士で情報交換をしたりアイデアをもらう事もできました。自分で新たにビジネスを始めることに対して、背中を押してもらえたことも意義深かったです。今でも講師と同期の受講仲間とはラインのグループでやり取りをしています。

移住を考えている人・移住してきた人にアドバイスを

 移住すると、それまでの自分の常識とは合わないところが出てくると思います。自分が変わって「地域に馴染まなければいけない」とは思わないで、歩み寄れる部分は歩み寄り、譲れない部分はそのままで良いと思います。ストレスを感じてまで自分を変える必要はないし、移住先でもそれを活かし理解してくれる人はいるはずです。外に出るなどして、一人で抱え込まずに過ごして欲しいです。自分の好きなこと例えばスポーツや趣味の時間を作ったり、「かたれる♪」のような場所やどこか好きな場所に行ってみるのも良いと思います。話をできる人がいるかもしれません。

 移住してみて、暮らしの中で嫌なこと、マイナスなことがあっても、山口県で笑顔で過ごせることをサポートするシステムが様々な形であるので、まずは、移住体験などを活用して山口県に足を運んでみてください。

 

 取材年月:2018年6月

山口県山口市周布町

Angelsilica
木村 香織

○ストーントリートメント
○からだスキャンプログラム
○セラピー(カラー、心理アロマ)他
○数秘術カラーセラピストトレーナー
○むらさき草和装院 師範
○日本デザイナーフラワー協会 講師

 

山口県山口市湯田地域にサロンを開いています。詳しくはメールでお問合せください。
【問合せ】angelsilica.reseau@gmail.com