先輩移住者の声
いつ・どこから・なぜここに?
山口市で生まれ育ちましたが、小学2年生の時に神奈川県川崎市へ引っ越して、それ以来ずっと関東に住んでいました。関東もいいところですが、私は自然が大好きなので、いつかは山口市に帰りたいと漠然と思っていました。そして、関東で暮らしていく中で、山口のことを知らない人や、山口に行ったことがない人が想像以上に多いことがわかり、だんだんと「山口に帰って山口の魅力を発信できる仕事がしたい」とUターンを現実的に考えるようになりました。
大学卒業後、横浜の企業に就職して3年が経った頃、先にUターンしていた両親が山口市徳地で地域おこし協力隊を募集していると教えてくれました。会社でやりたいことはやり尽くせたと感じていましたし、何より、癒しや健康、食をテーマとした新たなブランドの創出で「重源の里づくり」を推進するというミッションに強く惹かれ、応募を決めました。実は私はサウナが大好きで、「もし自然の中でサウナが楽しめたら、もっといいのに…」と前々から考えており、自然豊かな徳地でサウナができれば、協力隊のミッションもクリアできるし、自分の夢も実現できるとひらめいたんです。まさに「好きな場所で好きな仕事ができる」ぴったりの好条件だったというわけです。その後、無事協力隊に任命されて2021年5月に着任し、念願のUターンを果たしました。
地域おこし協力隊ではどんな取り組みを?
徳地に人を呼び込み、徳地の自然の豊かさや歴史の深さを知っていただくために、体験交流公園「重源の郷」でテントサウナの体験事業「をかしなトビかた」やサウナとヨガを組み合わせたイベントなど、サウナを軸にさまざまなイベントを実施しました。また、徳地を周遊してもらうために「重源の郷」を拠点とした謎解きゲームも開催しました。ほか、徳地商工会や山口観光コンベンション協会の皆さんと一緒に仕事をしたり、会議に参加したりと、とにかく地域と積極的に関わっていきました。当初から協力隊卒業後はサウナで起業すると決めていたので、活動の中でたくさんの方々と交流が深まり、人脈を築けたことはすごくありがたかったです。移住にはいろんなパターンがありますが、協力隊として移住すると、より早く地域に溶け込めたり、効率よく地域のキーマンとつながれたりするので、将来、移住した地域でやりたいことがある人にはすごくいい移住方法だと思います。
現在の状況・感想
協力隊を卒業してすぐにサウナ施設「VIEHÄttÄVÄ」をオープンし協力隊任期中に結婚した妻と二人で営んでいます。「VIEHÄttÄVÄ」は「趣」という意味のフィンランド語で、徳地のそのままの自然を体感できるサウナ施設にしようと名付けました。テントサウナとサウナ小屋があり、サウナ後の水風呂は、施設に設置されたもののほか、目の前を流れる美しい徳地の川に入ることもできます。森に囲まれているので、森林浴も楽しんでいただけます。ほか、サウナ小屋の隣に古民家をリノベーションしたカフェも併設しており、できるだけ徳地の食材を使いながら、全て手作りのメニューを提供しています。ちなみに看板メニューは「長州どりのスパイスカレー」で、妻がサウナ後に合うようにとスパイスの調合からレシピを考えました。最初は20代、県外の方が多かったですが、今は30〜40代の方が増え、県内からも多くの方が足を運んでくれるようになりました。目標は「VIEHÄttÄVÄ」を目的に徳地に足を運んでもらい、そのまま地域を周遊してもらう、地域の拠点の1つとなることです。将来的には宿泊できる施設も建てて、長く徳地に滞在してもらえるようにしたいです。
生活面もとても充実しています。横浜での会社員時代は、休みが取れないほどのハードワークをしていましたが、徳地に移住してからは自分のやりたいことをやりたいようにでき、気持ちに余裕ができました。それにやっぱり大好きな自然がすぐそばにある環境が私にとってはいいみたいです。よく「田舎は人との距離感が近い」と聞きますが、私はそう感じたことはありません。徳地のみなさんは定期的に「大丈夫?」と声をかけてくださったり、困ったときにすっと手を差し伸べてくれたりと、程よい距離感で接してくださっています。買い物する場所は限られますが、今はネット通販でなんでも購入できる時代ですから、特に困ることもありません。休みの日には市内中心部にある山口情報芸術センターに行って映画を観たりして、すっかり山口暮らしを堪能しています。妻も憧れだった田舎暮らしを楽しんでいるようです。
山口市の魅力は?
とにかく自然が豊かなところです。特に徳地は「森林セラピー基地」に認定されているほど緑が美しく、ただ普通に生活しているだけでも癒されています。自然の中でサウナを楽しむという夢も叶い、私にとっては理想の場所です。また、山口市のどの地域にも深い歴史があるところも魅力だと思います。しかも、それぞれの地域で歴史を掘り起こそうと活発に活動されている方がいて、まち全体が活気に満ちている印象があります。中でも徳地の人たちはみんなパワフルで、自分もサボっていられないなといつも思います。それと、人の温かさも魅力です。私がこれまで出会ってきた人たちはみんな親切で、私のような移住者も快く受け入れてくれ、いろんな面でサポートしてくれます。空気も水も食べ物もおいしいですし、本当にすごく恵まれた場所だと思います。
移住を考えている人にアドバイスを
山口市にはすごくいっぱい資源がありますが、人手不足で放置気味になっているもの、消失してしまいそうなものもずいぶんあるように感じます。徳地の石風呂もその一つで、どんどん運営が難しくなっていると聞いています。山口市には空き家などの資源や自然、歴史を生かしながら、やれることがまだまだたくさんあると思うので、そういったものを活用して挑戦したいことがあったり、何か新しいことを始めたい人が移住するのには、ぴったりのまちです。もし徳地への移住に興味があるなら、ぜひ「VIEHÄttÄVÄ」を訪ねてください。いつでも相談に乗ります!

















