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先輩移住者の声

田中 愛生 さん

[山口市湯田温泉]

田中GAY企画

  • Iターン
  • 創業
  • 南部
  • 地域おこし協力隊
  • 街なか

取材年月:2022年3月

田中GAY企画

山口市湯田温泉2丁目1-18
クイーンビル3F

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いつ・どこから・なぜここに?

 東京都あきる野市出身で、料理を学ぶために19歳でスペインに留学しました。現地で料理を学びながら、日本料理を勉強した方が後々の人生において海外で役立つのではと思い、帰国後、今度は東京の料理専門学校で日本料理を学びました。そこで調理師免許を取得し、2年間ほど銀座の和食店で働きましたが、厳しい世界なので体を壊してしまい、辞めることに。

 その後、いつか行ってみたいと思っていたフランスへ渡り、語学学校に2年間、大学に3年間通いました。山口市に移住するきっかけとなったのが、そのフランス留学中にあった平塚海渡さんとの出会いです。同じ語学学校に通っており、平塚さんの彼女(現在の奥さん)とはクラスメイトでした。週末は3人でよく遊んでいましたね。そうしてフランスで過ごすうちに、日本で何か一緒に仕事をしようということになりました。たまたま二人の帰国する時期が同じだったんです。

 それからインターネットで情報を集めるうちに、地域おこし協力隊というものがあることを知り、日本全国の自治体の募集状況を調べました。「さあどこの自治体にしよう?」となったとき、僕たちが出会ったのは気候の穏やかな南フランスだったので、日本でも同じような気候の場所がいいと瀬戸内エリアに住むことを決めました。それから岡山・広島・山口に候補を絞り、帰国して実際に3県を巡り、最終的に山口市を選びました。決め手となったのは国宝瑠璃光寺五重塔の美しさでした。もちろん、ミッションである「南部地域ニューツーリズム形成業務」に強く惹かれたことも理由です。平塚さんは過疎地域を専門に勉強していましたし、僕は料理の技術や語学を活用することで地域活性化に貢献できると思ったんです。二人で応募したところ無事に採用され、山口市への移住が果たせました。

地域おこし協力隊ではどんな取り組みを?

 大きな実績はTiny Barですね。海辺に牽引可能なバーを持っていき、賑わいを創出するという取り組みです。当初、僕たちに与えられたミッションは、市外・県外・海外から人を呼び寄せるためのニューツーリズムの形成でしたが、新型コロナウイルス感染症の流行により状況は一変しました。外から人を呼ぶのが難しいのなら、もともと山口市が持っている自然や環境を満喫できる場を山口市民に提供することで、内側から地域を盛り上げていこうという発想で生まれたのがTiny Barです。

 これまであまりメジャーとは言えなかった美濃ヶ浜にTiny Barを持っていったのですが、想像以上に好評で山口市のみなさんからたくさんの喜びの声が届きました。海はよっぽどのことがない限り密にはなり得ない場所なので、小さな子どもを思いっきり遊ばせることができますし、その間、親御さんはバーでくつろげるのがすごく良かったみたいです。これまで何もないと思われていた場所でも、工夫一つ、行動一つで観光スポットにできることが証明でき、とても嬉しかったですね。

 あとは、山口市のイベントで大きなパエリアを振る舞ったり、秋穂にある久保養蜂場さんと一緒にポルボロンというお菓子を開発したり、山口市の健康増進課と共同でヘルシーなスペイン料理のレシピ作成などにも取り組みました。

現在の状況・感想

 現在は、湯田温泉に「田中GAY企画」というバーを開いています。店名でおわかりになるかもしれませんが、僕はゲイで、セクシュアルマイノリティを公言しています。このバーは、僕のような方が集えるお店を作りたい、山口市内に多様なお店を増やしたいという思いからオープンしました。それと、地域おこし協力隊の活動を通じて、山口市内の多くの生産者さんたちや食に関する方とつながりが生まれたので、山口市の魅力的な「食」を一人でも多くの方に味わってもらう場所を作りたかったというのもあります。

 バーを開きたいと思い始めたのは地域おこし協力隊に就任して間もない頃でしたが、2021年8月にミスターゲイジャパンのファイナリストに選ばれたことが大きな自信となり、実現に至りました。今のところお店は順調で、たくさんの方に来ていただいています。まだ料理の提供はできていませんが、ペースを掴み、落ち着いてきたら少しずつやっていこうと思っています。その他、平塚さんと一緒に合同会社を立ち上げ、萩市にある笠山展望台で「兀兀(こつこつ)」というカフェの運営もしています。夏には今年もTiny Barをオープン予定ですし、毎日がとても充実しています。

山口に住んで戸惑ったことは?

 JR山口線の終電が22時台なのには驚きました。湯田温泉を回遊してもらうには、もうちょっと遅くまで動いていてもいいんじゃないかと思います。ただ、電車がないから宿泊施設を利用してくださる方もいらっしゃるので、全てを否定するつもりはありません。

 あとは観光のバリエーションが少ないのが問題だと思います。僕たちは海にTiny Barを持っていって成功しましたが、裏を返せば、海の家が全然ないということでもあります。でも、ないものが多いということは、その分チャンスがあるのだと僕は思っています。ほかの市町がやっていることを真似するだけでもいいので、まずは行動を起こすことが大事だと思います。

山口の魅力は?

 豊かな自然と歴史の深さ、住みやすいところです。まちの規模がそこまで大きくないので全てがコンパクトに完結しますし、家賃も安い。協力隊の任期が終わっても住み続けようってずっと思っていました。でも一番は「食」ですね。何と言っても魚がおいしい! 僕は自分で魚が捌けるので、朝市に行って新鮮な魚を買って帰って薄造りにして食べたりしています。

 それと、野菜もすごくおいしいです。新鮮な野菜の見分け方をテレビ番組でやっていて、「アスパラとか菜の花の茎が潤っているものを選べ」って言ってるんですが、東京ではそんな野菜を見たことがありませんでした。でも山口市ではそんな野菜がスーパーに普通に並んでいるんです。「都市伝説じゃなかったんだ!」ってびっくりしましたね。

移住を考えている人・移住してきた人にアドバイスを

 新幹線の乗車駅がありますし、空港までも車で40分くらいですから、意外と簡単に東京と行き来できます。ですから、定住もおすすめですが、個人的には二地域居住にもぴったりの場所だと思います。それと、山口市は九州や山陰、四国に行くにもベストな位置なので、すごくいい拠点にもなりますよ。

 山口市への移住に迷っていらっしゃる方は、まずは二地域居住からチャレンジしてみてもいいんじゃないでしょうか? 仕事や家庭環境が許すのであれば、ちょっとオフになれる場所を山口市に持つってすごくいい案だと思います。そして、山口市の住み心地を気に入ってもらえたなら、ぜひ移住してきてください。自然の豊富さと食べ物のおいしさは保証します!

 

 

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